不動産を売りたいけど、いつまでに売るとか、いくらで売りたいなどの売却プランを何も決めていないまま不動産会社に依頼する方も少なくないようです。
高額な不動産は、依頼する不動産会社によっても査定額や販売価格に違いがあり、高額になるほど金額の差が大きくなります。物件によっては数百万円や数千万円のも差が出ることも珍しくありません。
さらに、個人に売るか業者に売るかでも売却プランが大きく左右されるので、そのことをきちんと理解したうえで行動に移しましょう。

不動産を売却するには、その物件の所有者でなければ手続きを進めることはできません。
たとえば、売却したいマンションが共有名義になっているけど相手の了解が得られていなかったり、相続することは決まっているけど遺産分割協議が整っていなかったりする場合は、まだ売却できる段階ではありません。
売却のタイミングが分からない場合は、不動産のプロである不動産会社に相談することをおすすめします。

建物付の不動産を売却するときには、リフォームした方がよいと思うけど自分では正しい判断ができないという方も少なくないようです。
このような場合は、自身で勝手に判断しないで不動産売却の仲介を依頼する不動産会社に相談しましょう。
リフォームが必要な場合でも、大抵は買い手側の希望で工事が進められるので、そのままの状態で売却した方がよいケースが多いです。

不動産を売却する際には不動産会社と媒介契約を結びますが、契約の仕方は大きく分けて3種類存在します。それが「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」であり、それぞれに特徴があります。
専属専任媒介契約は、1つの不動産会社だけに仲介を依頼するものです。契約を締結すると他の不動産会社に仲介は依頼できなくなります。契約の有効期限は最大で3カ月で、不動産会社側は1週間に1度以上の頻度で依頼者へ仲介業務の実施状況報告をしなくはいけません。
専属専任媒介契約を結ぶメリットは、限られた期限内に不動産会社が買い手を探さなければいけなくて、その間は他社との競合もないため、買い手が見つかる可能性が高いことです。
専任媒介契約も大まかには専属専任媒介契約と同じですが、自力で買い手を見つけて不動産会社を介さずに契約できる点に違いがあります。不動産会社側は、2週間に1度以上の頻度で依頼者へ仲介業務の実施状況報告をしなくてはいけません。
一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に仲介を依頼できます。自力で買い手を見つけることも可能です。ただし、その分各社が買い手探しへの本気度が低下してしまう点がデメリットで、買い手がなかなか見つからないようなケースも多いです。

家賃の他にも前家賃が必要になることも多く、入居する月の家賃を前払いで支払い、月の途中から入居するときには日割り家賃が発生します。
不動産会社を介して部屋を借りるときには、仲介手住料が発生し、目安は家賃の0.5〜1ヶ月プラス消費税となっています。
その他には、万一火災や水漏れがなどが起きたときのために、火災保険に加入しなければいけないケースがほとんどで、シングルでは1.5万円、ファミリーやカップルでは2万円程度が相場となっています。
最近では保証会社を利用しなければいけないケースがほとんどで、保証料は家賃プラス共益費0.5カ月が目安となっています、
他にも鍵の交換代や害虫駆除代などがかかる場合も多いですが、初期費用の総額の目安は家賃の4.5から6ヶ月程度と覚えておくとよいでしょう。

01信頼できる不動産会社を選ぶ

所有する土地や建物をできるだけ高く売るには、不動産売買をメインにしている信頼できる会社を選ぶことがポイントとなります。このときには得意としているエリアがあって、どのくらいの実績があるかも重要です。
会社の信頼度ばかり重視するのではなく、誰に担当してもらうかも大切な確認ポイントなので、担当者の実績も併せて確認することを推奨します。キャリアと併せて国家資格である「宅地建物取引士」を持っていることも、大きな安心材料になります。

02WEBサイトにも掲載してもらえる会社を選ぶ

価格とスピードも重視するなら、WEBサイト上にも物件情報を掲載してもらえる会社に依頼するのも大事なポイントです。
物件のキャッチコピーのつけ方や写真の掲載方法などでも売れ行きに大きな差が出ることもあるので、その点もチェックしましょう。

03内覧に備えた準備を怠らない

内覧の前にはしっかりと清掃をしておくことが基本となります。更地を売るときにも、雑草を刈るなどして見栄えをよくすることで印象がかなり変わります。
建物付きの場合は、浴室や洗面所、トイレ、キッチンなどの水回りの清潔感には特に気を配り、入口である玄関には靴をキレイに並べる配慮をすることも大事になります。
購入希望者の大半は事前に内覧の日時を指定しますが、急な依頼にも応じられるようにしておくことをおすすめします。

不動産会社を選ぶときにはたとえ同じ会社でも対応する担当者が違うとサービスの質も大きく変わり、顧客満足度もまったく異なるものになるので、看板で取引先を選ぶことには注意が必要です。
テレビCMなどで有名な大手不動産会社は全国展開していることが多く、テレビでは印象の良いタレントさんが営業マンなどを演じていますが、実際に店舗に行くと教育や接客には大きな差が生じる可能性が高いです。
これはフランチャイズだけではなく、個々の不動産会社にも同じことが言えます。不動産会社にもノルマだけをこなすことに必死で、お客さんのことを第一に考えない営業担当者しかいないようなところもあれば、何よりもクライアントファーストで接してくれる会社もあるので、ネームバリューではなく複数の不動産会社の営業担当者を比較することをおすすめします。
不動産会社の利益になるのは仲介手数料ですが、この金額も会社によって設定が異なるので、少しでも費用を抑えたいという方は仲介手数料の額も事前に確認しましょう。マンションやアパートなどを賃貸契約するときには、その他に必要になる初期費用にも違いが出るため、その点にも要注意です。

「あんこ」と聞くと多くの方が食べ物を連想すると思いますが、不動産業界では売主側の仲介業者と買主側の仲介業者以外に別の仲介業者が存在することを指しています。饅頭の中に隠れているあんこのように、不動産取引の表舞台に出ることがないことからこの名で呼ばれています。
通常の不動産取引では、売主側の仲介業者と買主側の仲介業者が1対1でやり取りを行いますが、あんこの場合は間に1社以上の仲介会社が入り不動産売買を手伝います。
実は今ではあんこが行われることはほとんど見られなくなり、あんこはインターネットが普及する前の時代に頻繁に行われていました。
インターネットが普及していなかった一昔前には、不動産物件情報のやり取りには主にチラシやFAXが使用されていて、この時代には売主側から直接売買仲介を依頼された元付業者が、直接多くの不動産会社に物件の売り込みをかけていました。
インターネットがまだ普及していなかった時代には、売り込みを受けた不動産仲介会社が他の不動産仲介会社に物件情報を流すということがよくあり、あんこは不動産会社にとって取引を成立させるためには必要な取引形態として存在していたのです。